2008-04-13

【読書】 成功のコンセプト

お勧め度 ★★★★☆(星4つ)

ご存知、楽天の創業者、三木谷浩史氏の著作です。

世間的には、計算高くていけ好かないやつのように捉えられているかもしれませんが、体育会系の熱い男です。
私と大学、それから大学卒業後に入った銀行が一緒ですし、球団経営にあこがれる私にとっては尊敬する先輩です。

さて、感想ですが、この手のビジネス本をそれなりに読んでいる私には、全体的には驚きや学びはそれほどありませんでしたが、ベンチャー系、創業者系のビジネス本をそれほど読んでいない人にはすごくよいと思います。
表紙の帯には「目から鱗(うろこ)。その<5つのコンセプト>とは?」なんて書いてありますが、そのコンセプトはほとんどは以下のように言い古されている感があるもの。
①常に改善、常に前進
②Professionalismの徹底
③仮説→実行→検証→仕組化
④顧客満足の最大化
⑤スピード!!スピード!!スピード!!

言い古されている、と書きましたが別に批判しているわけではありません。
著者自身が同じように本の中で書いています。

私も仕事をしていて常々思いますが、難しいのはこれをいかに組織の頭のてっぺんからつま先まで、文化としてもしくはDNAとして徹底・浸透させるかということですよね。
これらのコンセプトが当たり前のことだとしても、放っておけばこれらと矛盾してしまうようなことは組織の中、普段の仕事の中に簡単に生まれてしまいます。
楽天がここまで成功できたのは、三木谷さんを中心に本当にこれらを実行できたからなんでしょうね。

新鮮ではなかったといいながら、いくつか心に響いた箇所を取り上げると、まず、

「面白い仕事があるわけではない。
仕事を面白くする人間がいるだけなのだ。」

主体的に、当事者意識を持って取り組むことが大事だということですね。

次に、

「目的地のない旅が放浪になってしまうように、目標がなければ仕事はただの労働に堕落する。食べていくために自分の時間を切り売りしていたら、人生なんてあっという間に過ぎてしまう。仕事が面白くないという理由の大半は、実はそこにあるのだ。」

一般に目標設定の大切さはよく言われるけど、その文脈は個人が成長するために、であったり、何かを成し遂げること・成功することのためにであったり。
この本でも、「スピード!!スピード!!スピード!!」の章で語られています。
大きな目標を設定して、そうすると常識的なスピードでは到底達成できずに、常識外のやり方で圧倒的なスピードでやることとなり、結果として大きな目標を達成できるのだ、という文脈です。

しかし、上に抜粋した文章は、目標設定により仕事が面白くなる、ということが書いてあるわけですよね。
人事の本を読めば目標設定によりモチベーションが高まるとか書いてあるかもしれませんが、それはあくまで管理者側からの視点。
こんな風に個人の視点でシンプルに仕事が面白いかつまらないかという表現が新鮮で心に響きました。
悲しいながら私の人生で1番燃えていたのは大学の野球部の主将だったときだと思っているのですが、そのときはリーグ戦の優勝という分かりやすく且つ、それなりにハードルの高い目標が明確にあったからだなー、なんてことを思い出したりして。
そのときと比べると自分はあまり明確な目標設定をしてないなーと(もちろん人事管理上はしていますが)。。。

長くなりましたが、まとめると、、
この手のビジネス本をよく読んでいる人が、本当に成功のコンセプトを学ぼうとして期待して読むと期待外れだと思いますが、それ以外の人には非常に分かりやすいですし熱いエネルギーが得られますのでお勧めだと思います。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

新しいパソコンにしました。
三木谷氏に関連することで、先日のテレビ番組に出演し彼は「会議は説明するところでは無く、決定するところ。」と主張されていた。まさに、そのとうりで自分で企画し実行して思うように進まないと、とかく言い訳になる。トップの立場では出来ないことを聞いているのではない。となる心境が良く解る。
「ダカラ、コウシタイガドウダ。」のダカラを事前に判断資料を配布して置けば決断だけの時間で済む。最も モットモ!!

だんきち さんのコメント...

>ja7bpjさん
コメントありがとうございます!
やっぱりパソコンのせいだったんですね。

実践は難しいのですが本当にごもっともですよね。
これができるとすごくスピードが上がるのだと思います。